【ただ聴くだけ】音楽で惑星の特徴を理解しよう【感性の占星術講座】

占星術とは欧米の価値観がベースにあり、西洋の感性の理解がないと勉強に苦戦してしまいます。いくら高額の教材を購入しても、なかなか身につかないのは、この『感性の理解不足』が原因でもあるのです。

ですが、逆に言えば感性さえ理解できれば0円でも占星術のお勉強が可能です。

ブログでは画像を多用して感性で伝わるようにしてきましたが、さらに理解を深められる素晴らしい教材としてMV(ミュージックビデオ)をご紹介させていただきます。
音楽、歌詞、衣装、映像、ご本人の人物像から、天体の理解を深めていただければ幸いです。※アーティスト名からWikipediaへ飛べます。

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キロンの音楽

生まれながらに持っている、心と体の傷、癒しが必要な分野、虐待と育児放棄に遭いやすい運命、傷を癒しへ昇華した時、その知恵を人々を救うために使える。

小惑星キロン(カイロン)の意味と解説【ネイタル/シナストリー】

Slipknot 『Unsainted』

人生そのものや身体に傷を持つと言われる太陽×キロンを持つ、スリップノットのVo.コリィ・テイラーの生い立ちは壮絶で有名です。何年にもわたって母親と国中を移動した母子家庭のホームレスで、幼い頃に満足な食事を得られなかった事で身長が平均より低い事はよく知られています。
自傷行為、薬物依存、自殺未遂など、人生は困難を極めました。彼は幼い時に性的虐待の犠牲(外部ページ)にもなっており、長い間その傷を隠し、活動をしてきた事を近年告白しています。

過激なメタルバンドのフロントマンとして活動してきたコリィですが、彼がたった一言『私が今まで望んできたのは父親になることだけでした』と話したのはとても悲しい話です。彼は『子供たちに私が経験したことを決して経験させたくないので、大学の資金、請求書の支払い、衣服や食料の購入、強固で安全な基盤、何も心配する必要がない事を示したい。彼らに自分は保護されている、と感じて欲しい』と語っています。
山羊座リリスを持つ人らしい、真面目で秩序を重んじる面が垣間見えます。

虐待によるキロンの傷は『激しい痛み』になります。感覚を音楽から感じ取ってください。虐待や育児放棄の環境に生まれやすく、(心と身体両面に)傷があり、その傷を癒す人生から得た知恵で人々を救う、彼はその体現者でしょう。コリィの絶叫は心の痛みを歌い、美しい歌声に変わる瞬間は癒しを表現しているのかもしれません。そんな彼は土星×冥王星90度という、最も冷酷で悲しい星と、ヒーラーとしての強い使命を持つ太陽×キロン120度を持っています。

Eminem 『Lose Yourself』

和訳ページ/外部リンク

キロンの中でも特に第4ハウスは育児放棄と関連があります。ここにキロンを持つラッパーに、エミネムがいます。攻撃的で、ずっと怒り狂うようなラップスタイルですが、その原因を作ったものが生い立ちです。

物心がつく前に父親に捨てられ、母親からは冷たい扱いを受け、幼少期は住む場所を転々とし、安定しない生活。黒人街のデトロイト地区での極貧生活の中でラップに出会うものの、そこは黒人優位社会。白人であるエミネムは当然仲間外れやいじめを経験。親の愛情を得られない事、人間関係でも疎外され、最初の自主制作CDの売り上げは何と70枚。自殺未遂、薬物中毒も経験しました。

その頃のエピソードで有名なものに娘ヘイリーとの愛があります。その頃のエミネムは犯罪多発地域に住み、強盗は日常茶飯事。週60時間も労働したのに、娘の誕生日の5日前に解雇されます。それでも彼は娘にプレゼントを買おうと40ドルを握りしめていたというものです。こういった残酷な格差社会は日本人には理解が難しいでしょう。日本は恵まれすぎており、邦楽の歌詞にもその辺りの幼さが表れているなと思います。

仕事を解雇され、家も追われ、辿り着いたロサンゼルスのラップバトルで2位になり、翌日ラジオショーでフリースタイルを披露。なんとそこでドクター・ドレーに見出され、ド底辺から成り上がっていったエミネム。この『Lose Yourself』とは、チャンスとは人生にたった1回しかこない。だから目の前に没頭しろ、チャンスがきたら絶対にモノにしろ、遊びはもう終わりだ、と歌っています。このリリックには「こんな食品割引券じゃオムツも買ってやれないだろ」とあり、彼が這い上がりたかった理由、ここまで没頭して頑張れたのは「娘の存在なんだ」というのがわかります。

彼の人生は家族との傷(キロン)に起因した「貧困、怒り、ドラッグ、うつ病、名声」との戦いの物語でもありました。そんな彼を傷つけてきた原因も家族なら、癒してきたのも家族(娘)だったと言えるでしょう。娘を溺愛し、母親との和解を模索し、義理の姉であるドーンの娘、元妻キムの血のつながらない子供の親権も持っています。

キロン(カイロン)12星座とハウス別の意味と傷【ホロスコープ】

リリスの音楽

【リリス】ブラックムーン、ダークムーン、小惑星別の意味と解説【占星術】


Britney Spears 『Baby One More Time』

リリス×海王星を誤差0度で持つ有名人に、ブリトニー・スピアーズがいます。
ディズニーチャンネル出身のアイドルだった彼女のデビュー曲『ベイビーワンモアタイム』は衝撃的なものでした。まだ10代の彼女にヘソだしのセーラー服を着せて踊らせ、性的な対象として煽るように売り出されたからです(日本と世界では倫理観が違います。世界では児童虐待と認識される行為です)

ある意味男性のロリータに対する幻想や妄想(海王星)のタブー(リリス)を破った形です。当時『まだ処女なのか』を執拗にインタビューで聞かれ、『処女である』事を公然の目の前で何度も答えさせられていた姿は、虐待そのものです。パパラッチに追いかけ回され、家族からは金銭を搾取され、メディアは勝手に彼女を面白おかしく書き立て、ついには家庭も子供も、自分が稼ぎ出した資産を管理する権利までも父親に奪われました。

愛する子供と一緒にいる為に全てを犠牲にする選択をした彼女は、自分が自由に使えないお金を稼ぐ為にラスベガスのショーを続け、妊娠しないように父親から子宮内避妊具を装着され、愛する人との子供を持つ自由すらも奪われました。リリスのテーマである、家父長制の犠牲者の象徴のような女性です。これは2010年代のアメリカで実際に起きた出来事です。

Maroon 5 『Misery』

和訳ページ/外部リンク
この楽曲は女性と別れたいけど別れられない男の気持ちを歌った楽曲で、発売時はあの(最もセクシーと言われていた)アダムが美女に暴行されまくるという衝撃的な内容で話題になりました。マルーン5で一番面白いMVです。
リリスを西洋のとある占星術師が『サイコビッチ』と表現していましたが、MVを見ればどんな事かわかる気がします。ここまでされても何故か離れられない強力な性的魅力、縁が生じてしまうリリス。あらゆる悲惨(Misery)な関係の裏にリリスとのアスペクトが関わっていると言われています。歌詞もまんま太陽×リリス0度の恋愛模様ですね…。
そんなリリスはエデンの園でアダムに『平等』を訴え男性の優位性を拒否。アダムの元を去っていきます。奇しくもマルーン5のVo.の名前もアダム。なんか面白い縁ですね。日本でも『Sunday Morning』がトヨタ自動車のCMソングで使われファンが多いバンドです。

冥王星の音楽

生と死、破壊と再生(変容)、自分では制御できない未知の力と黒幕を表しています。底力、権力の乱用、暗殺、家系や受け継がれたカルマ、嫉妬、劣等感、管理、支配、手放す分野がわかります。冥王星は徹底的にやるので、時に人を恐怖に陥れます。”背筋が凍る”と表現するような世界観で、民族浄化を支配します。

【冥王星の世界とは?】0か100の人生と権力闘争の意味を解説【占星術】

Rammstein 『Deutschland』

※グロテスクなMVの為、閲覧注意。(和訳ページ/外部リンク

ベルリンの壁により東と西に分かれたドイツの『東側』で生まれ育ち結成されたのがラムシュタインです。祖国が分断された生活、情報が統制されバンドにはスパイが混じっている等さまざまな経験を経てベルリンの壁が崩壊、資本主義になった事で95年にメジャーデビュー。ネオナチと賛否が付きまとう、ドイツが生んだ初の世界的ロックバンドです。
タイトルのDeutschlandとはドイツの事で、これまでのドイツの(暗い)歴史を正面からMVで(徹底的に)表現。祖国ドイツに対する複雑な思い『お前が憎い、でもお前を愛したい』と歌っています。0か100、生と死、愛憎。まさに純度100%の冥王星の世界観でしょう。バンドの楽曲は基本的に土星×冥王星のような重苦しい雰囲気が多めですが、冥王星らしいユーモア(オタク的、徹底的)も持ち合わせており、ヨーロッパ(の旧社会主義国家を中心に)絶大な人気を誇ります。

リーダーであるリヒャルトは、冥王星と海王星と木星でTスクエアを築いており、頂点の冥王星の扱いがキーになるバンドです。そしてメンバーは(オリバー以外)世代のカルマとして天王星と冥王星コンジャンクションという、『古い価値観を徹底的に破壊し、全く新しい世界を作り出す世代』です。全く新しい(東出身の)ドイツ人の形を作ろうとしているのかもしれません。それに加えリヒャルトは、天王星と土星が180度で『自由と伝統の間で板挟みにあう』運命を持っています。社会(資本主義になったドイツ)に居場所がない、漠然とした不安があるのかもしれません。リヒャルトはドイツを去り、アメリカに移住しています。統一から30年以上経った今でも、東出身は2級ドイツ人、と言われ無意識下の差別もあるようです。彼らの立ち位置の参考まで。


ドイツ製火炎放射器を使ったLIVEはド迫力で面白いですよ。

Kanye West 『Flashing Lights ft. Dwele』

※ショッキングな内容の為、閲覧注意です。(和訳ページ/外部リンク

発売から10年以上経ってもクラブで掛かり続け、TikTokでも人気。何かとお騒がせのカニエ・ウェストのヒット曲。
タイトルのFlashing Lightsとはフラッシュの光(ここではパパラッチのフラッシュ光)
MVではおそらく愛し合っていたであろう2人がまさかの展開に発展します。日本ではまず見る事ができない衝撃的な展開でしょう(閲覧注意)歌詞の内容ともリンクしています。まるで金星×冥王星のような、背筋が凍る愛憎劇はMVをご覧ください。

海王星の音楽

陶酔、夢、依存心、混沌、スピリチュアル、精神世界を表しています。脆い自我、共感能力、理想、音楽や演技の才能の有無がわかります。社会的弱者、騙されるかor騙すか(キャラを演じる)、極東アジア(アジア人)&黒人、空想と現実が混濁するという意味もあります。

【海王星の国・日本】芸術の惑星海王星とは?日本と西洋の違いを解説【占星術】

Gwen Stefani 『What You Waiting For?』

和訳ページ/外部リンク
No Doubtが活動休止し、満を辞して発表されたソロデビューシングル。
MVで着ている衣装は全てジョン・ガリアーノによるもの。海王星の持つ『現実と空想が混濁する』とはどういう状態なのか、を的確に表現しています。特に最後の空想に溺れて自分を見失った状態を、遠くから白けて見ている他人との構図はわかりやすいですね。
グエンは大の親日家でMVでも日本人のダンサー、歌詞にも日本語を使ってくれています。世界中で『HARAJUKU』や『KAWAII』という言葉が流行ったのは、彼女の存在のおかげです。

Psycho le Cému 『Prism』

日本人でも海王星的な世界観を表現している、という意味でサイコルシェイムは面白い芸術センスを持ったバンドです。こちらは海王星の『キャラになりきる』の方でしょう。MVで着ている衣装は全てh.NAOTOが作成しており、欧米人が見たい日本の視点を持っていて、面白いセンスを感じるMVです。

メンバーの皆さんはチャートに海王星、魚座を多く持つので、夢や理想が必要かもしれません。特に水星×海王星は5名中3名も持っています。また海王星は音楽、ダンス、演技(コント)の才能をもたらしますが、サイコさんのLIVEはその全てが入っており、海王星的です。空想を現実の世界で形にするには高い意欲が必要となりますが、全員火星と木星が強く、リリス×木星0度を5名中4名も持っているので、恐ろしいほど陽キャでしょう。『傷ついた異端者』であるキロンのアスペクトを持っており、芸術で異端を表現する事で、多くの人の傷を癒す使命を持たれています。
また斬新なアイデアを出せる火星×天王星は5名中3名が持っており、天王星はネットを表すので、ネットやSNSでの活動を活発にされるといいと思います。斬新なアイデアを拡散し、勝ちに導くのに水星×木星180度、火星×木星0度のAYA君が重要な役割をするかもしれません。
ダンス担当の2名はちゃんとギターとドラムが演奏できるのですが、踊っちゃうところがカオスで楽しいですね。

Travis Scott 『BUTTERFLY EFFECT』

海王星=依存という解釈でドラッグの陶酔感を表現している、トラビス・スコットの幻想的なMV。彼は昨今最も若者に支持され、若者文化の象徴でも取り扱われているラッパーです。パートナーのカイリージェンナーは最年少ビリオネアでもあり、2000年代のビヨンセとJay-Zのようなカップルと言えるでしょう(2023年現在、破局したようですが…)。2010年代のSNS(海王星が支配しています)の台頭と共に育ち、また成功者に成り上がった二人として有名です。

こちらの『Goosebumps』のMVからもわかる通り、海王星が支配する領域は人を無気力と人間不信にします。特に海王星に魚座期(2022年現在は魚座25度です)は、世界規模で無気力と人間不信が加速。ファンタジーでしかないSNSに没頭し、リアルの行動を監視される生活、目に見えない奴らからの誹謗中傷(仮面と銃で表現されています)は、昨今の若者の生きづらさ、苦痛を巧みに表現。昭和世代にはわからない「精神的な」苦痛を強いられている事が見て取れます。

こうした音楽というツールを通し、文化やSOSを発信する事、辛い人の心に癒しを提供する事、それが海王星の最も素晴らしい「芸術と幻想」の使い方です。

天王星の音楽

個性、反骨精神、斬新さ、変革、多様性、スピード感、論理的思考、同志を表します。残酷な競争社会、能力主義(成果主義)、IT企業、西洋(白人)、群れない、媚びない、無情、トリッキー、マッド、自分勝手などの意味もあります。

MAN WITH A MISSION×Zebrahead 『Out of Control』

天王星の世界観を表現するなら、まさに「MADMAX
オリジナルは70年代に制作され大ブームに。こちらは最新作「怒りのデスロード」で、公開当時3回くらい観に行ったと思います。西洋は暴れ方が凄いし、内容もスピーディで天王星の大好きなものが全て詰まっています。楽曲はマンウィズとゼブラヘッドの共作で、邦楽という括りではないのですが、2010年代に聴いた数少ない日本人が参加している曲で思い出深いです。映画にぴったりでかっこいい。
この「MADMAX」シリーズとは、実は意図せずヒーローになっていくという、不思議な物語。まさに天王星の「予測不能」「可能性」「変化」というのを体現できます。日本では「北斗の拳」の元ネタになり、アメリカでは国民的ゲーム「Falloutシリーズ」の元ネタにもなった映画です。西洋の男の子はみんな好きな世界でしょう。
天王星の世界は理系で知的バトルやラップバトルの世界。頭の切れ味がよく、行動がとにかく早い。ただ「ついてこれない奴は置いていく」無情な世界でもあります。風の時代とは水瓶座(守護が天王星)なので、こういう時代が到来するかもしれませんね。

Doja Cat 『Boss B*tch』

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「誰かになろうとしてない」「他人に流されたくない」「私はビッチ!私がボスよ」と歌っています。天王星の個性が大事、自分らしく生きていきたい(人の真似は嫌)、というのがリリックに込められています。

そんなドージャ・キャットは黒人と白人のハーフで、TikTokから火がついた新時代の女性ラッパーです。太陽×天王星90度、月×天王星120度、ドラゴンヘッド×天王星90度ですから、非常に天王星が強いですし、火星×冥王星0度で、まさに天王星×火星が強い、刺激的で魅力的な女性と言えるでしょう。

攻撃的なラップと違い『Kiss Me More』は甘くてかわいいですよね。この歌声はキュートというギャップもまた、天王星的で魅力的。またこの天王星はインターネットを表しており、ネットを駆使して人生が「一変する」という解釈もできる惑星です(他にはリル・ナズ・Xカーディ・Bジャスティン・ビーバーがいますね)こういった世界観はラッパーと好相性なのでしょう(知性でバトルするという感性も天王星的で、若い世代に支持されるスタイルです)

また『Boss B*tch』の方は、映画「ハーレークインの華麗なる覚醒」のサントラに収録されており、MVにはマーゴット・ロビー演じる、トリッキーなハーレー・クインの姿も。まさに天王星×火星女子の世界観。男に媚びない、依存しない、言いたい事は言う。モテる男からしたら媚びてくる女は掃いて捨てるほどいるわけで、魅力がないという話。リアルで一番いい男を落とすのは、何やかんや天王星系女子だなと感じます。

Lupe Fiasco 『The Show Goes On』

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ルーペ・フィアスコの最高に感動できるナンバー。歌詞が分からなくても楽曲自体素晴らしいのですが、ぜひ歌詞をご覧になって聴いてください。『人生は開けてくる、自分次第なんだ、ショウはもう始まってる』と歌っています。
彼は最も困難で試練が多い土星×冥王星0度を持った人です。おそらく人生では理不尽な事、耐え忍ぶ事が多かったのでしょう、そこを超えた彼だからこそ綴れる優しくも勇気が出るリリックです。
仲間を大事にする天王星の価値観、行動こそ人生を変える事、子供の頃と大人では全く違う人生にもなり得るのだという歌詞は、まさに天王星の『生まれた時と死ぬ時では全く違う境遇になっている』というのを表しています。お父様が空手の先生で彼もアニメなどの日本文化が好きな親日家でもあります。

土星の音楽

試練や困難、課題、苦手分野、抑圧、抑制するものがわかります。父親や権力を握る者との関係、憂鬱感、冷淡な感情、陰湿、自制心、自己破壊衝動などを意味します。

Billie Eilish 『all the good girls go to hell』

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Adele 『Rolling in the Deep』

『体型に対してとやかく言われたくない、女性として見られたくない』とダボダボの服で現れた新時代のスター、ビリー・アイリッシュ。近年土星と聞いて真っ先に思い浮かぶアーティストは、アデルとビリー・アイリッシュなのかな、と思います。幅広い世代に人気のアーティストです。
冥王星山羊座時代(守護は土星)は世界中がひどい閉塞感に苦しんでいるので、土星的な歌が世界的にも人気を獲得するのでしょう。両者は共に『容姿(ルッキズム)』が話題にもなりました。
アデルが活躍した頃はルッキズムが当たり前で、それにアデル自身が反抗し「アメリカツアーをやらない」と宣言。あの頃から少し経ちビリーのルッキズムへの反抗が世間に受け入れられるようになりました。
これによりヴィクトリアズ・シークレットの痩せているモデルも過剰なルッキズムを告白、同社の毎年恒例行事であるショーも行われなくなりました。世界が次のフェーズへ向かっている事を示したデジタルネイティブの代表的なアーティストです。

Korn 『Falling Away from Me』

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憂鬱さを極めたようなロックバンド、コーン。宣伝も無しにクチコミだけで瞬く間に世界的なロックバンドになり、現在も第一線で活躍中。虐待、いじめ、抑圧、悲観的な世界、泣き叫ぶような歌声で土星の世界観を表現しています。
Vo.のジョナサン自身が複雑な生い立ちで、性虐待、いじめ、ジェンダー差別を経験し、コミュニケーション不全。LIVEではゲロを食べる、メンバーのしょんべんを飲まされるなど90年代は常軌を逸した『自己破壊衝動』が物議に(学生時代の元・いじめっこがメンバーにいるのも狂気)
土星は自分に厳しく冷たいので、抑圧(うつ病)、自殺や自傷に関連する惑星と言われています(筆者の研究では自殺には土星絡み、海王星絡みと2パターンあります)
日本でも90年代後半、ジョナサンの影響でバンドマン達がこぞってアディダスのジャージを着ていました。全くカッコつけないのにかっこいい。学校1ダサい奴から、世界的なロックスターに上り詰めた彼の生き様は、土星の試練を克服すれば誰よりも上手になれる、を体現。

木星の音楽

大らかさ、楽観さ、成長や拡大、発展する分野、富、幸運の有無がわかります。
海外、学び、哲学、旅を表し、やりすぎ、だらしなさにもなります。

LMFAO ft. Lauren Bennett, GoonRock 『Party Rock Anthem』

彼らの最大のヒットソング。誰もが1回は聴いた事があるパーティソングです。
ただひたすらバカっぽい世界を”感じろ”といった感じ。
この狂った世界から抜け出そうと試みた一般人をパリピが取り囲み、パリピにしてしまうという展開が面白いですね。木星の人がいたらこんな感じで誰もが陽気になってしまう、巻き込まれてしまう、というのがMVから伝わってきて最高にハッピーになります。苦しい人生を生きていく上で大切な感性を教えてくれる存在、それが木星です。木星が幸運の星と言われるのがわかりますね。ただ悪ノリしやすい、というのもMVでは巧みに表現しています。
メンバーのRedfooはモータウン創始者の御子息で、恵まれた家庭環境に生まれやすいと言われる木星らしい面は私生活でも。

Flo Rida 『Good Feeling』

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タイトルのGood Feelingとは”いい感じだぜ”
全編(いい気分なんだろうな〜)というのがMVを見ているだけで伝わってきます。陽気だとついつい気が大きくなってしまう様子が歌詞からも…(いつか大統領になってやるぜ、など)悪気はなくてもホラ吹きと言われやすい木星らしい感性です。
気分が良ければなんでもできそうな気がする、木星の楽観さをありのまま表現しています。可愛いので見てるだけで陽気になれるMVです。
最後はごきげんなフローライダーに人が集まり皆んなが後をついて走って行き、木星の人を巻き込んで発展していく感じを見事に表現しています。出身地であるフロリダの貧しい子供達に対してチャリティー活動もしており、木星らしい行動は私生活でも。

火星の音楽

情熱、やる気、行動力、闘争心、怒りの感情の度合い、性的趣向、外に向かうエネルギー全般がわかります。勇気、明るい性格、戦いの意味もあります。

SABATON 『Great War』

SABATON 『Primo Victoria』

ヨーロッパ全土で大人気、スウェーデンの国民的バンド、サバトン。
ミリタリーメタルというジャンルを作り出し、曲は全曲戦争の英雄についての歌。純度100%火星の世界です。LIVEは火の演出、ステージに戦車が現れ客席に大砲が打ち込まれるなど、やりたい放題。見るだけで「火星とは何か?」を感じる事ができます。

ただ争いとは「勝った方が英雄」で、負けたら「惨めな敗者」です。ここの違いは、敗戦国のドイツ出身のRammstein(冥王星の音楽で紹介)とは対照的です。冥王星の世界はドロドロした、残酷な世界です。負けた方の恨みや憎しみを表現しているんです。

またサバトンのVo.ヨアキムは、若い頃水泳選手でもあったので、パワーメタルに相応しい恵まれた肺活量とパワフルな歌声を持っています。火星特有の明るい性格、人を熱狂させるエネルギーはLIVEからも伝わりますね。彼の最も面白いエピソードとして、バンド仲間と(酔った勢いでの)賭けに負け、約350マイル離れたノルウェーまで徒歩で移動しないといけなくなった話でしょう。その徒歩での旅はYouTubeで実況中継され、BBCニュース(外部リンク)にまで取り上げられました。

道中はファンの家に泊めてもらいながら、装備品ゼロの丸腰で向かうところは火星特有の勇敢で怖いもの知らずな面が見えますね。火星は明るくて面白い性格をもたらすので、健全に使えば周囲を明るくさせ、人生に戦う勇気を運んでくれます。そんなヨアキムは、火星×冥王星60度の戦士の星を持ち、金星×火星90度でスリルや刺激を求め、リリス×天王星0度で、人を驚かせる行動で人類の限界を引き上げる使命を持たれています。
またサバトンには、『SHIROYAMA』という、日本の合戦について歌った楽曲があります。

金星の音楽

愛情やお金の使い方、(他者から見た)魅力や人気、感性の豊かさ、趣味趣向がわかります。カラフルな色彩センス、少女漫画的恋愛、自分に甘く自立できない弱さなど。

Katy Perry 『California Gurls feat.Snoop Dogg』

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スヌープ・ドッグとの同郷コラボ。発売時はMVも大変話題に…。
金星の甘い世界(キラキラ、カラフル、お菓子、乙女チック)をこれでもかとMVで表現し、あのスヌープ・ドッグと対決する、というのが面白い展開ですね。キラキラだけじゃない、ガールズパワーをちゃんと表現するところが欧米のいいところです。
ジェイ・Zとアリシア・キーズの大ヒットソング『Empire State of Mind』 へのアンサーソングで、カリフォルニア出身のラッパー、スヌープ・ドッグとタッグを組みました。NYの気取った感じに対抗してカリフォルニアの良さを歌っています。

Rihanna 『Only Girl (In The World)』

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歌詞の世界が本当に可愛いリアーナのヒットソングです。
『世界で唯一の女の子のように感じさせて、今まで愛したのは私だけかのように』と歌っています。世界観が可愛くて色彩のセンスもすごく素敵なMVです。少女漫画チックな世界観の中に、リアーナらしい色気が入っており、魅力的な楽曲です。

水星の音楽

知的好奇心や才能がどのような分野で発揮されるか、コミュニケーション、兄弟との関係、学業や仕事の適性の他、通信機器、交通などを表します。

Lady Gaga 『Telephone ft. Beyoncé』

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あのビヨンセとコラボするとの事で発売時は大変話題になった一曲。
『今クラブにいるから圏外で電話が繋がらないの!』と歌っています。MVは『ボニー&クライド』がモチーフ。
水星はコミュニケーションや言語、才能、仕事などを見ますが、実は通信機器や交通トラブル、意思疎通がうまくできない、なども表します。上手く意図が伝わらずにトラブルになる、通信機器(電話やメール)や交通機関(電車、飛行機、車)のトラブルをみる事もでき、ゴシップやニュース、新聞なども水星が表す分野です。MVではスキャンダラスに悪事を働きながら、何となく両者の意思疎通が上手くいっていない奇妙な雰囲気(当時のガガは風変わりなキャラで売り出していた為)と、ゴシップの描写など、MVを見ているだけで水星が上手く働かないとこうなる、と言うのが伝わります。

月の音楽

感情の動き、無意識の癖や性質、幼少時代の家庭環境や性格がわかります。母親(或いは女性の家族)との関係も意味します。

Linkin Park 『Breaking The Habit』

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タイトルのBreaking The Habitとは”習慣(悪い癖)をぶっ壊す”
『いつも同じ争いに巻き込まれる、もうウンザリだ、この習慣を壊したい』と歌っています。しかし習慣を手放す事は難しい、という葛藤が表現されています。
月とは『習慣、癖』であり、なかなか変えられないもの、わかっているけど直せない癖です。Vo.のチェスターはこうした人の変えられない負の側面を嘆きつつも受容するような、不思議な感性の持ち主です。
76年生まれの魚座リリス(内部リンク)特有の感性でもあり、彼自身も薬物依存に苦しんだ経験者です。
彼の複雑な生い立ち、親の愛を知らず、性虐待のトラウマに苦しみながら生きてきた経験は、楽曲や歌詞にも現れています。常に弱い立場に視点を置いた繊細な世界観のバンドでしたが、チェスターの突然の自死により活動は止まってしまいました。
このMVも悪い癖(自傷、浮気、暴力、事故など)を直せない人々に虚無感のような感情を持ってうなだれるシーンがあり、そこから”抜け出すんだ!”という感じで進んでいきます。

太陽の音楽

人生の自己実現におけるプロセス、生き方、人生の価値観、本質的な性格・才能・個性がわかります。

Beyoncé 『Run the World (Girls)』

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筆者がビヨンセで一番好きな楽曲。世界の創造主は女性である、というのが伝わる歌です。女性は偉大な存在である、男性に守られるだけの弱い存在ではない、命を生み、育て、精神的なエネルギーを人類に与えてきた強くてパワフルな存在です。
女性に自信を持つ事、強くなること、男に頼らなくても生きていける事を一貫して発信してきたビヨンセ。それは彼女の時代のエンタメでは心底大変な事でした。
新時代の女性のリーダーとして”行動で”証明してきたビヨンセは、社会を変えた偉大な女性です。

そんなビヨンセは、自由のために徹底して戦う『天王星×リリス0度』を持ち、20年に1度の特別な星『木星×土星0度』という、人の上に立つ使命を持っています。女性がこの時代を生きる強さと勇気を行動と歌で示してくれる、パワフルな女神でしょう。

Avicii 『Wake Me Up』

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タイトルのWake Me Upとは”目覚めさせて”。人生は短い、あっという間に過ぎる、と歌っており、世界的な大ヒットに。そんなAviciiがわずか29歳で突然この世を去ってしまい、世界中に衝撃が走りました。日本公演に参加したばかりの筆者も、その死を受け止められずにいた一人です。
MVでは田舎街で老人や保守的な村人から冷たい視線を浴びる若い女の子が外の世界に出て目が覚め、自分の力で田舎から旅立っていくという内容です。
太陽とは自己実現。自分の力で人生を変えていく!そんな決意と行動が伝わるMVです。

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